今回は上記のテーマで書きたいと思います。
なぜこのようなテーマになったのか?それは今現在、私が戸惑っていることであり、かつ死ぬまで分からないだろうと考えていることだからです。
例えば発達障害と診断を受けている方。彼は片付けることが苦手で回りに気を配ることが苦手で、人への言動にトゲがあります。しかしながら、部屋に人が来る場合には前もって掃除をし(その仕方にもよりますがそれなりに掃除は出来ます)、僕が手が回らなく困っている場合にはすすんで手を貸してくれます。話すことも相手によって気を遣っているなぁと感じることもあります。つまり出来るのではないか…と。
もう1つ。軽度の知的、自閉症と言われている方。人との意思疎通が難しく、こうと決めたら自分の計画を曲げない。急な予定変更があると混乱してしまう。パニックを起こすことも、という方です。しかしながらうちの事業所で仕事をしていると、自分から職員にはニコニコ話し、予定が変わっても柔軟に対応でき(ストレスがかかっているようには見えません)ます。
日々の言動に戸惑うばかりです。勿論、日中数時間を共にしているだけの彼らをこういう人なんだと決めつけるのは早合点かもしれません。
それでも、ここでそもそも発達障害とは何か?を振り返りたいと思います。
発達障害とは
「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」を言うそうです。これは発達障害者支援法の第二条の定義によるものです。
これでは良く分かりませんので、1つ1つ見てみたいと思います。
(引用はLITALICOジュニアhttps://junior.litalico.jp/)
自閉症:他人との社会的関係の形成が困難、言葉の発達が遅れる、興味や関心の幅が狭く特定のものにこだわるといった特徴があります。知的発達の遅れが見られない場合は高機能自閉症と呼ばれます。一般的に先天性の疾患であると言われており、何らかの要因によって脳に障害が起こったものとされています。
アスペルガー症候群:自閉症のうち言葉の発達や知的発達の遅れを伴わないもの。高機能自閉症とともに広汎性発達障害に分類されます。言葉やジェスチャーを使ってコミュニケーションしたり、想像力を働かせて相手の気持ちを察したりすることが難しい障害です。
注意欠陥/多動性障害(ADHD):「集中できない」「気が散りやすい」「忘れっぽい」「落ち着きがない」「思いつきで行動してしまう」「待てない」といった症状がみられるもので、学業や社会活動に影響が出やすい障害です。知的な遅れは無く、感情や行動のコントロールを自身ですることが難しいという特徴がある障害です。
学習障害(LD):知的発達の遅れはほとんど見られませんが、書く・聞く・話す・計算するといった特定の行動が困難な状態です。読む能力はあっても書くのが苦手、他の教科は問題ないのに数学だけは理解ができないなど、ある特定分野に偏りが見らる障害で、知的発達に大きな遅れはありません。
となっています。
ちなみに発達障害の確定診断に至る診断基準はDSM-5の基準に基づいています。長いのでリンク貼ります。ぜひご覧ください(診断基準:https://h-navi.jp/column/article/119)。これを見ると実に曖昧です。精神科よろしく、訓練された専門医が熟練した判断で下すのでしょうが、これで本当に障害なのかそうでないのかが分かるのでしょうか。私はソーシャルワーカーとして、診断を受ける当事者が生活に現に困っており、その制度を活用することによって生き辛さが緩和されるのであれば、そういった選択肢もアリだと考えます。なぜならば、便宜上云々よりも現に生活が善くなるのであればそれが大切だと考えるからです。
私は勉強不足なので、発達障害が、高次脳機能障害のように、脳に器質的な違い、つまりMRIで見れば分かったり、明らかに構造が違うのだと思っていました。割と最近まで・・・
しかし自閉症しかり広汎性発達障害しかり原因ははっきり分かっていません。それでも自閉症は先天性のものであると言ってしまってますが・・・
とにかくこのように診断基準が良く分からないが故か、私が接している方達が就労事業所に来ることが出来るレベルの方達だからこそ、それは障害なのか?それとも経験不足?と分からないのでしょうか。
今日は結論が遅れましたが、私は、彼らは経験不足であることが往々にしてある、という立場です。それがダメだと言っている訳ではありません。経験不足であれば今から学んでいけば良いのです。それを障害と言ってしまうと、もうどれだけやってもダメなんだとそこで思考停止になります。本人はその方が楽になるのでしょうか?いや、人によるでしょう。はじめは「障害なんかじゃない!」と思っている当人でも、ずっと親からさえも言われていると「僕は障害だから出来ないのかな?」と思うようになるかもしれません。
なので就労事業所では障害があるのだからしょうがないとは結論付けずにとにかくやってもらいます。そうすることによって今日、はじめに出てきた例のようなケースも出てくるのです。私も現代で子供であればアスペルガー症候群などと診断を受けていたかもしれません。保育所時代はとにかく天気予報が好きで天気図を毎日朝から晩まで描き、保育所でも描き、日本の主要都市はじめだいたい聞いたことのある町の漢字は4歳くらいまでにマスターしていました。周りの反応は天才かもしれないという反応でしたが、まだ良い時代だったのかもしれない。今なら病院受診させられるのでしょうか。
ん~、分かりません。障害なのか、経験不足なのか。これは死ぬまで分からない。分かるはずもありません。