二拠点居住2016

今年もいよいよ終わろうとしている。早いなぁと今年は特に感じる。

 

一体、自分は今年何をやってきたのだろうか。そして来年はどこへ向かっていくのだろうか。そんなことを振り返り&展望してみたい。

 

2016年1月 一般社団法人やまのくち農舎を設立

      愛知県弥富市シェアハウス「佐古木の家」2年目に入る

3月下旬 岐阜県若者サポートステーションにて講師役として招かれる

5月1日 岐阜県から障害者就労継続支援B型事業の事業所指定を受ける

6月23日 下呂市萩原町山之口にて就労継続支援B型事業所ちきりむすひ開業

7月 名古屋テレビにて自身について放送される

9月 オルタナティブ協議会に参加

11月 萩原町山之口のシェアハウスオープン

   高山市内でB型事業所を立ち上げる

12月 下呂の就労継続支援B型事業で利用者が6名へ

   下呂交流会館アクティブにて利用者の方が展示、そして岐阜新聞社からの取材を受ける

 

このような感じだ。

こうして見ると今年はゼロから挑戦する年であったと言える。何でもそうだがゼロから何かを創り上げていくことはエネルギーが要ることだ。それをほぼ1人で行ってきたことで自信を持つことも出来た。弥富市のシェアハウスもほぼ満床で推移しており、個々に問題を抱えつつも皆入ってらっしゃる方たちが何とか健康を保つことが出来ているとは思う。

就労支援事業を過疎地域で開業する事には反対の声も少なくなかった。多い声だったのが過疎地域に作ってもお客さんなど来んよというもの。1年目が終わる2017年5月の目標は5名だったが、半年足らずで目標には達した。SNSやテレビの力は大きいと学んだ。

一方、良いことばかりでも無かった。人材が足りない。自分1人ではやることに限界はある。そうした人材不足を痛感した年でもあった。これからはもっともっと都会で様々なことを学んだ若者が田舎に入ってきてほしい。

 

二拠点居住は21世紀前半でこそ成立する生き方であると僕は思っている。理由としては20世紀は都市化、そして過疎進行の世紀だったが、21世紀に入り都市化で歪になった人口バランスは都市の環境汚染、経済格差(世代内、世代間共に)による深刻な貧困、過疎地域の自然人口減が加速し始めていることによる村落の消滅への恐れなどが具現化していきている。現在は核家族が主流であった1970年以降の動きから進み、単身世帯化が急速に進んだ。50歳以上の独身男性を生涯結婚しない人口と仮定した未婚率は男性が25%、女性は10%と言われているが、今後この数字もさらに上昇していくようである。30代の女性未婚率が33.8%であり、女性の未婚率は男性のそれに近づいていくようだ(生涯未婚率は実は闇が深いデータhttps://kekkon.biz/column-102/)。僕は学者でないのではっきり言えないが、子供の出生率が下がり続けたのも化学物質に端を発する人体への悪影響も不妊化を助長させているのでは?と疑ってもいる。単身世帯が増えれば身の回りの世話をする方がいなくなることを意味する。何か自身に起こった場合には途端に困窮したり、セーフティーネットが脆弱になる。湯浅誠さんの提唱した「溜め」が無くなっていっているのが現代だ。家族で支え合う溜め(家族を自分は絶対視していないが…)は時として大きな溜めになると思う。何か事が起きた場合には社会のセーフティーネットに頼ることになるが、医療保険、介護保険と始まった当初は大盤振る舞いをし(信じられない方もいるかもしれないが、医療保険は老人医療が無料だった時がある。そして介護保険も保険が出来た2000年過ぎには介護度の水増しが横行していた<つまり軽い方でも重く出てサービスを使いまくれる>)、気付いてみると本当に介護が必要な、医療が必要な方に手が届いていないのでは??ということも出てきている。そして何より単身で医療・介護の世話になることになればカネがかかる。金が無ければ選択肢が極端に狭くなる。これは事実である。こんな矛盾が出ている都市部と違い、過疎地域では若者が本当に少なくなっている。祭りをしても高齢者が主体、地域の店に行っても老人ばかり、畑に出ている方も高齢な方がほとんどだ。そして毎週のように葬式があることも珍しくない。1人暮らしをしていたおばあちゃんが亡くなり空き家になった。息子、娘も返ってくる気はゼロ。街に一軒家を建てているし。といった具合で、空き家も増えに増えている。

実は空き家は増えているが、本格的に増え始めるのはあと5年後だと考えている。私が住んでいる過疎地域の山之口村では380人の人口のうち高齢化率は40%。つまり150人が65歳以上。その中ではっきりとした数字は分からないが、1人暮らしで住んでいる80代の男女の数がかなり多い。彼らは長命だが90歳を迎える所でさすがに亡くなっていく方が増えると見ている。それが5年以内に起こってくる。70代、80代以上の1人暮らしは知っているだけで10世帯はある。山之口区は110世帯なので9%、約10件に1件だ。これが10年以内には20件から30件空き家になることが想定できるので110世帯のうち40件が空き家になればインパクトは大きい。2025年は団塊の世代がこの世を去りはじめる年と言われているが節目の年のような気がするのは僕だけか?

 

空き家はほぼ無償で入居できる物件もある。住んでくれるなら家賃はとらんよという方もいる。真面目な話だ。これに加え、耕作放棄地も増えに増えている。僕は畑を7枚ほど借りてやっているが、誰でも借りることは出来る。信頼が出来れば直接賃貸可能だ。始めは既にそこに入っている方を通して借りれば良いのだ。発達障害を持ち、地域で純粋な農業をやっていく希望の彼は来年5畝(160坪ほど)の畑を自分でやる。水も山水をどの世帯も引っ張ってきておりタダ。出しっぱなしだ。家を借りればもれなく山水付きという物件もある。電気やガスを利用するだけで生活は営める。せいぜい6000円くらいあれば居住費は大丈夫なのではないか。僕も平日山之口にいるときにはお金を使わない。月に16日から17日いるので月の半分はお金がほとんど要らない。何か素敵ではないだろうか。

 

で、話がそれていたが21世紀前半でしか二拠点居住は出来なさそうな理由の大きなものとしては、都市部で住むコストがいよいよ高くなってくるだろうという予測にある。都市部は今後、インフラを維持するコストが天文学的な数字でかかることをご存じだろうか。根本祐二さん(東洋大教授)が研究されているのでそちらご参照あれ。

そして賃金はアジアの発展途上国と言われていた国の水準に収れんしていく。減るという概念で間違いはない。年収が上がっているので減っていないゾという方は半分正解、半分不正解。円建てで見れば収入が上がっていても、ドル建てで見た場合の収入はぐっと減る、つまり円安に長期的には避けられない。途上国の通貨は相対的に上がる。つまり収入は差が縮まっていくということだ。雇用も国内にこだわらない仕事は安い国へ移管される。トランプがメキシコへ工場移転を検討していた企業を国内にとどまるよう圧力をかけていたが、一時的な流れだ。これは止められない。

で、ドル建てで何で見る必要があるの?という疑問が出たのであれば、日本は食料、日用品等、輸入に頼っている国だ。そこの価格が円安になると上がっていく。だから物価水準も上がっていく。物価ベースで見た実質賃金は下がるという具合だ。

都市部で活躍・残留できる人材は余程”優秀”かよほど”無知か”のいずれかになってくる。二拠点居住は都市部と農村部を行ったり来たりしながら裁定取引(二拠点の差をビジネスにする手法)やコミュニティビジネスを起こしていくことだが、そもそも都市部で住んでいけなくなるのであれば二拠点居住は成立しない。今が過渡期だと思っている。

 

何か話が拡散し続け収拾がつかなくなってきた。

来年の展望を話そう。2017年に入っても二拠点居住は続くと思う。僕の場合は名古屋と飛騨だが、富山市内と飛騨とか、京都と飛騨とか、農村部で繋がりを作っていきたいと考えている。そしてきっと毎週土曜日は名古屋市内を野菜の宅配でまだ回っているのだろうと思う。名古屋市郊外のシェアハウスもそのまま継続だろうなと思う。来年は駐車場のスペースに工房を作り、入居者が創作活動を行うインフラを入居者の方と作っていく。

障害者事業も徐々に利用者が増えてくるんだろなと予測。飛騨にいる引きこもっていてきっかけが作るに作れない方たちの力に何とかなりたい。下呂市はやる気がないので有志でやるのだろうきっと。

そして障害者のアートを下呂市で普及させていく。凄い才能を持った人は下呂市内にも結構いると思う。発掘・プロデュースしていくのは純粋に楽しいではないか。

で、高山市内でB型事業所を立ち上げる夫婦に会社設立からサポートしている。そうした新規事業所で理念が近い所とコラボして何かやっていくこともテーマだ。

それでそれで今、新規事業も構想段階なものの具体化していこうとしている。これは1つ形が整えば話は早いと考えている。来年の春に開業させたい案がある。まさに地域のニーズに沿った事業だ。

 

さて、あとは、この過疎地域を面白くしていく仲間はもう少し集まってくることが必要だ。僕は群れるのが元来大嫌いなので、出来れば独立志向が高い方が集まりプロジェクトごとに協働していく形をとりたい。個人事業主が集まってきてほしい。

 

どうか2017年もケガ・病気無く過ごせますように。

 

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コメント: 4
  • #1

    Angella Provenza (水曜日, 01 2月 2017 20:45)


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