あなたも発達障害かもしれない②

前回は発達障害がどのようなものか、そして発達障害が決して珍しいものではないことを述べた。

 

今回はなぜ発達障害に該当するか否か心当たりのある方に診察を受けることを勧めるのかを話そうと思う。

 

①自己責任でないことに気付く

今まで仕事が長続きしない、協調性がない等で今まで社会生活を送れていなかったが、発達障害と診断を受けることで、自分の努力不足ではなかった、脳の構造的な違いからそうなっていたんだと考えることが出来る。これは自分を否定してきた過去を塗り替える意味で大きいと思う。

 

②自分の得意・不得意を知ることが出来る

診断を受けることによって、発達障害によって、何が得意で何が不得意なのかが分かるきっかけとなる。出来ないことを引け目に感じるよりも、出来る点、得意な点を伸ばしていくことにより、健常者以上の能力を獲得できる可能性も十分ある。スティーブ・ジョブズやアインシュタインはその典型なのかもしれない。

 

③仕事を探すことにプラスに働く

現在は発達障害は精神障害者として分けられるため、障害者手帳取得の程度に当てはまっているなら精神障害者保健福祉手帳の取得が可能である。この手帳は持っているだけで、1級、2級、3級で自治体によって異なるが、医療費が県内であれば自己負担分は無料になったり、バスの乗車券がもらえたり、税金の障害者控除が受けられるために確定申告で納める税金が減る。またこの手帳は障害者雇用枠で一般事業所へ雇用される場合にも力を発揮する。そして障害者サービスも利用できる(これは手帳の有無は問わない。医師の診断書があればOK)ので障害者の福祉的就労で技術・知識を学んだり、就労移行支援(一般事業所へ就職希望者が訓練を行う場所)を利用することも可能となる。就業への選択肢が大幅に広がるのは間違いない。

 

④障害年金が将来的にもらえる場合には受診は必要条件となる

障害年金とはある障害によって就労が出来ず、経済的に困窮するために国が責任をもって、それ相当の障害を持っている方には20歳以上で年金を支給することである。

障害年金の制度は複雑で難しいので簡単に言えば、発達障害の診断を始めて受けたその日(初診日という)が非常にのちのち大事になってくる。障害年金を受け取るにはまず障害年金をもらうに至る状況となった疾病の初診日はいつかがカギとなってくる。発達障害により就労や社会生活が困難である場合には、2010年4月1日に精神科で発達障害と診断をされたのであればその日が初診日となる。その1年半後に就労不能な状況、または出来ても周囲の支援は必要になってくる場合であれば年金の受給が検討されてしかるべきである。(年金の受給要件は保険料未納がないか等も必要だが今回は割愛)

ということは2011年10月1日に発達障害により、社会生活、経済活動が出来ないとなれば障害年金を申請した翌月から受給決定がおり、受給となる。細かい要件はお近くの社会保険労務士、または医療機関にいる医療ソーシャルワーカーなどに相談されると良いと思う。

 

①~④までメリットをお伝えしたが、もちろんいい点ばかりでない。例えば自身が障害者だということを考え、悩む方もいる。周りの反応も気にする方は少なくない。日常生活が送りにくくなっては本末転倒ではある。

こうしたメリットデメリットを考えて診察を受けた方が良い。

ちなみに診察の際に必要なのはご本人と、幼少期から今に至るまで、学校での行動を記した通知表、よく知っている方(親)などと一緒に受診しても良いかもしれない。また分からない方にはお教えしようと思いますのでご連絡くださいね☆