「ルポ 介護独身」から見る日本の将来

今、「ルポ介護独身(山村基毅著)」を読んでいる。自分は既婚者であるが、全く他人事とは思えない。全員が明日は我が身と考えさせられる好著だ。普段から福祉の現場にいるので困った方を見るが、老いた両親を単身者が、誰にも訴えられず介護をする構図は決して珍しいものではない。今後男性の4人に1人が生涯独身で過ごすという統計も出ているが、数字よりも実際、困難に直面している方への支援制度が十分でないと考える。


自分は、彼ら介護をする方へは選択肢を用意すべきだと言っている。選択肢とは自分の親なので仕事を辞めてでも看たい。もう一つは自分は仕事をし、社会へ貢献していきたいので両親は社会で看て欲しい。どちらも正解だと思うし、二元論ではなく、その間を取ることも正解だと思う。


今の現役労働者世代は気持ちにゆとりが無い。それも仕方が無いことだ。1人当たりの仕事量は生産性を上げろとの資本家の大合唱に雇われ社長が飲まれ、増える一方だ。早朝から深夜までの勤務。休日は家に帰り寝るだけ・・・

しかし両親を始め、周りの家族は日々老いていく。科学が絶対が無い中で、老いるのは「絶対」だ。

気付いた時にはもう遅い。そんな状況が重なり社会問題化してきた。


親の面倒を看たいので仕事はやらないという方へは税金を使って介護者を社会で支える制度が必要。それは生活保護制度でも良い。ただし生活保護の訳の分からないレッテル、偏見が無くなるのが前提条件だろう。介護をする方は今の日本にとって貴重な人材だ。それを自己責任と介護者本人へ押し付ける者は自分の立場をちっとも分かっていない。いつ介護者の側になってもおかしくないのだ。全員が。

もう一つは介護は社会で看て欲しいと望む場合。現行の介護保険制度は、専門分化の末、地域の無関心化を生んでいると現場の人間からは感じている。ケアマネジャーがいるから、ヘルパーが来るから、デイサービスに行っているからあの人のことは知らん。

そうではなく、地域で無理なく見れる制度(これがまちづくり公社[労働組合]の地域単位の活動)を作ればいい。私はこのまちづくり公社の実現を過疎地域で一番可能性が高いと考えているからこそ、二拠点居住を実践している。田舎の人間が閉鎖的だなんだと言うが、田舎だって時代が変われば人も変わる。切羽詰まれば地域は変わる。それを肌で感じ始めている。


明日は我が身。これこそ互助を考える上で究極のキーワードである。


紹介文献情報:「ルポ 介護独身」山村基毅著 http://t.co/TKJsaT5dmi

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コメント: 2
  • #1

    Evan Hafer (木曜日, 02 2月 2017 01:13)


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  • #2

    Mui Yarber (金曜日, 03 2月 2017 20:01)


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