もっとも大切にしている事は、望ましくない「非日常」から望ましい「日常」を実現出来るよう、本人へ、そして環境へ働きかけ、少しでも早くその状況を実現できるようお手伝いすること。加えて、日常に戻った後は、本人との支援・被支援の関係は出来る限り早期に解消することです。
日常に戻った後は、本人が残された課題に対処していけることを確認した後、双方の同意を持って契約の終結をします。
私が、早期の支援・被支援の関係を解消しようとする理由は、私と本人の関係(支援者・被支援者)も非日常であり、その関係が慢性的になることで、別の問題が起きてくると考えているからです。具体的には依存の関係であり、別の関係構築の機会を阻害するなどが想定されます。よく医療の現場であるのが、患者が医者を神格化して先生の言われるようにお願いしますと言われる患者さんです。一見、良い関係のようにみえますが、上記の考え方でいくと、患者の医者に対する依存以外の何物でもありません。その関係が固定化することによって自分自身でも病気について勉強することも無くなるかもしれませんし、家族の言うことに耳を傾けなくなるかもしれません。そして決定権を他者に委ねることによって自身で責任を取ろうと思う気持ちも無くなります。一体誰の人生なんだろうかという話になります。
そういった訳で、私は慢性的な関係は望みません。しかしそれは一旦終結すれば関係が金輪際無くなる訳でなく、もしかすると友人として継続するかもしれませんし、再び望ましくない「非日常」が続くようになった際に関係が出来るかもしれません。
以上のような理念のもとに、あなたと関係を結んでいきたいと考えております。
山内 崇嗣